花盗人の伝説

我が家の芝桜は季節に関係なく狂い咲きをする。

二度咲き
夢咲き
狂い咲き
季節でもないのに花が咲く──無駄花、徒花、一夜の花、一時の仇花。

昔、ある国の王様が珍しい花の種を手に入れました。そしてその花を咲かせ、国中にこう宣言したのです。

「この花と同じように美しい花を咲かせることができた者には褒美を与える」

王様は粉のように細かい種を国中の人々に分け与えました。

しかし、花を咲かせたといって王様の元にやってきた者たちは、すべて牢屋に入れられてしまいました。

そんな中、一人の男が王様の前に出てこう言いました。

「王様、どんなに大事に育てても芽が出ないのです」

王様はその男に褒美を与え、こう告げました。

「あの種は芽を出さないものなんだ」

そう、花を咲かせられなかった者だけが正直だったのです。
他の者たちは王様の花壇から花を盗み、こう申し出ていました。

「王様、花を咲かせました」

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